軽いイメージの裏には

先週、ニコニコ動画がRC2にバージョンアップするというニュースがありました。
バージョンアップ内容の中に、「ニコ割」があります。
これは、「ある時刻にニコニコ動画で動画を視聴する全ユーザーにリアルタイム情報を同時通知する」というものです。


現在は時報として毎日0時、2時などに音声が流れます。
動画を見ていると、いきなり動画が停止して時報の音声が流れるので、動画を見ている人には大不評であり、時報が入った瞬間には「時報うぜぇ」などのコメントが溢れかえるというナイスなサービスですね。




この時報ですが、実はすごいことなんじゃないか、と思うわけです。
ニコニコ動画は、ユーザーが見たいときに好きな動画を見ることができるサービスで、いわゆる「非同期な動画配信サービス」なわけです。
それに対して、ニコ割は、時報という使い方をみてもわかるように、「同じ時刻に同じ内容をユーザーに送りつけるサービス」であり、テレビやラジオと同じ「放送」なんじゃないか、と思うのです。


厳密には、まったく同じ時刻ではなく若干のタイムラグがあるようです。
2つの動画を開いていたら、少しずれて時報が流れていました。
時報では「午前2時くらいをお知らせします」という言い方をしています。
これは、ニコニコ流の脱力イメージを印象付けるとともに、裏では正確な時間に配信することができないから苦肉の策でこういう言い方をしているのでは、と思います。




で、放送を実現できることになったニコニコ動画ですが、同時アクセスしている数十万人の人間に同時にメッセージを届けられるということで、テレビの視聴者数には及ばないとしても、ラジオの地方局以上の視聴者はいそうです。
ニワンゴニコ割をどのように活用するかはまだ未定としていますが、使い方によっては有効な広告媒体になりそうです。
ただ、動画を見ていると割り込んでくるという性質上、「時報うぜぇ」という意見に代表されるように、ユーザーにはあまり歓迎されていないのが問題ですが。


これが放送として認知されちゃったら、放送法の規制を受ける羽目になったりしないでしょうか?
そんなことになったら嫌だなぁ、と思います。